これ結構、重要なニュースだと思うのですが、「日産自動車、三菱自動車、仏ルノーの3社連合が、次世代の車載情報システム分野で米グーグルと提携した」との発表。日産・三菱・ルノーがグーグルと提携することで今後どうなるのか?メリット&デメリットなどについて、グーグルの目的(野望)についても取り上げます。
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Contents
日産・三菱・ルノー&グーグルと提携で今後どうなる?
日産連合が米グーグルと提携することで見える未来は、正直日本の自動車メーカーにとって、いや世界の自動車メーカーにとっても明るい未来じゃない気がします。つまり、グーグルによって「支配された世界」が見えます。
今回は、グーグルのOSであるアンドロイドをベースにして、「コネクテッドカー」を搭載しそれを普及させるとのこと。
ですが、グーグルの目指す世界、それは・・・
ステップ1: コネクテッドカーから自動運転へ
まずは「コネクテッドカー」から始まり、やがてグーグルのOSを搭載したクルマでの自動運転へ。もちろん、アップルを始めOSを作る他社も黙ってはいないでしょう。
ですが、そのOSの覇権争いに勝利し、他社OSを駆逐してやがて世界中のクルマにグーグルOSを載せる。
ステップ2: グーグルカーの販売&普及
並行して目指すのは、グーグルカーの販売と普及。といっても、自社はあくまでもOSと自動運転システムの頭脳を提供するだけ。つまり、世界の自動車メーカーを下請けにしてグーグルの完全自動運転のクルマを売っていくという点。
この時点で、グーグルは無双状態ですね。世界の自動車メーカーが完璧なる下請けになり下がった瞬間でしょうね。
やはり、結局のところ、自動運転への流れは抗うことはできないでしょう。日本にしても、高齢化社会で人口は減っていく。自動運転システムが普及する環境が整いすぎています。
将来の中国だってそうですよね。しかも人口13億人以上・・・。
ですので、グーグルの目指す未来とは、「世界中のクルマとクルマ・メーカーを完全に支配下に置いた世界」だと思います。
日産・ルノー&グーグルと提携でメリット&デメリットは?
ただし、日産連合とグーグルが提携することで、メリットもあります。メリットとデメリットとは?
メリット:
クルマにアンドロイドOSが搭載されるため、ネットでつながったクルマに。
「OK Google!」と話しかければ、音声認識で、カーナビだけでなく、レストランを探したり、エンターテインメント情報やメールを送ったりしてくれます。運転しながらできるのもうれしいところ(でも注意しないと事故りそうですが)。
Google Street View cars will be roaming around the planet to check our air quality with these sensors https://t.co/RDoIkXKIjC pic.twitter.com/SSFnxzqe1O
— Andrew Wiggin (@WigginAndrew) 2018年9月18日
また、車の異常があった場合に、それをシステム上で遠隔診断し、ドライバーに点検や修理を促すといった機能も持つとのことで、これはメリットでしょう。
というか、この機能あったら”車検”とかいらないですよね?車検制度で美味しい思いをしている人がいるため、なくなることはないでしょうけど。
デメリット:
一般のユーザーにとってのデメリットは、個人情報を完全にグーグルに握られそうで怖いですね。「OK Google」と話しかけた会話内容とかで、その人の生活習慣、趣味嗜好まですべてわかってしまいますよね。
そして、後述しますが自動車メーカーにとっては、ついに完全下請け化の時間ですね。
もちろん、一部の本当の意味で替えの利かない、たとえばフェラーリやランボルギーニのようなスーパーカーメーカーなどを除き、やがてグーグルの自動運転システムの搭載された車を作ることを余儀なくされるメーカーにとっては悪夢の始まりでしょうね。
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日産&Googleの提携と酷似している業界とは? グーグルの野望とは?
これらの一連の流れ、過去の何かの事例を思い出しませんか?
そう、PCの基幹部であるOSを巡るマイクロソフト社の動きです。マイクロソフト社は、さまざまなOSとの覇権争いに勝利し、やがてWindows95を発売。
それ以来、完全にOSの覇権争いに勝利し、アップルを除けばほぼほぼ自社OSをすべてのPCメーカーに搭載させることに成功しました。
今や、世界中のほぼほぼすべてのアップルのMac以外のPCには、Windowsが搭載されています。しかもWindowsというOSは有料です。
つまり、マイクロソフト社は、1台のPCが販売されるたびに自社に「チャリン」とお金が入る、ある意味「印税収入」あるいは「永遠に稼働する自動販売機」を手に入れているということです。
今、マイクロソフト社がやる仕事といえば、”たまにOSをアップデートすること”と、たまに”OSを刷新すること”です。
OSを刷新する毎にまたおカネが落ちる仕組みが継続する=つまり永遠に続くことが約束されているということですね。
つまりPCというものが世の中に存在する以上は、マイクロソフト社が世界のPCメーカーを支配しているということです。
グーグルの野望とは、まさにクルマというハードウエア(マイクロソフト社にとってのPC)を完璧に支配下に置くこと。
一部では、今回の日産自動車、三菱自動車、仏ルノーの3社連合が、米グーグルと提携したことで、「実質ルノーとグーグルの提携でしょ!」と揶揄する声もありましたが、大局的に見れば、”3社ともグーグルの支配下に入った”という表現の方が正しいと思います。
つまり、長期的な視野に立って見ると、グーグル(Google)が、世界中のすべての自動車メーカーを傘下に収める布石を打っているということです。
で、自動車メーカーが自社で自動運転システムを開発できるかといえば、今の言葉でいえば「無理ゲー」でしょう。
まとめ
日産・三菱・ルノーがグーグルとの提携で見えてくるのは、グーグルによって「支配された未来」。
短期的な視点では便利そうですが、長期的な視点では、個人の生活が完璧にグーグルによって可視化されて掌握されるということですよね。
もっといえば、グーグルの裏にいる誰かによって完璧に掌握されてしまう時代が未来、やがて来るのかもしれません。
今まで美味しい思いをしてきた自動車メーカーにとっても”下請けへの序曲の始まり”ですね。
今度は、グーグルが元請け側に立ち、各自動車メーカーに「ここ、もっと安くできないの?」とか注文を出す時代が来る可能性もありますね。
考えすぎかもしれませんが、頭の片隅に置いておいた方はイイかな~と思います。
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