わが日本のトップ、内閣総理大臣(首相)の乗る専用車・レクサスLS600hとセンチュリーについてです。スペックや装備について取り上げます。
さっそく本題です。
Contents
内閣総理大臣(首相)の専用車のスゴサ
まずは、わが日本の内閣総理大臣(首相)が乗る専用車のスペックや装備についてです。現時点で、2台体制で運用しています。
まずは、車種から・・・
ポイント
- トヨタ・センチュリー(1967年~)
- レクサス・LS600h(2008年6月~)
どちらもトヨタ車で統一されています。首相の初代専用車は、トヨタ・センチュリーで、現行の専用車は、レクサス・LS600hとなります。
センチュリーが専用車として設定された1960年代は、トヨタがすでにセンチュリーを発売をしていた関係で、センチュリーに白羽の矢が立ったようです。ですので、たとえば、仮に日産がこのクラスで、高スペックの車を発売していた場合、日産に白羽の矢が立ったのかもしれません。
>> トヨタ豊田章男社長の愛車遍歴&センチュリーGRMNの価格(値段)・スペック・内装は?
いずれにしても、前述のように、現在、首相の専用車は2台体制で運用しています。
ちなみに、内閣総理大臣を護衛するための護衛車には、センチュリー、セルシオ、クラウンマジェスタというトヨタ車が用いられています。また、2017年3月からは、6台のレクサスLSが新たに警護車に加えられています。
仙台に安部首相がきた!
センチュリーの秘書官は髭剃り待機の様子です! pic.twitter.com/FNCKugwSi0— LEXUS (@LEXUS_LS500h) 2018年8月2日
なお、専用車もSPの乗る警護車のいずれも、カラーはブラックですが、必ずしも専用車にブラックが用いられる必要はありません。
実際、各国トップが乗る専用車を見ていると、他のカラーを採用していることもあります。ですので、関係車両のカラーがブラックの理由は、主に米国のトップ・米大統領が乗る専用車のカラーの影響を受けているのかもしれません。
内閣総理大臣(首相)の専用車トヨタ・センチュリーのスペック&装備とは?
1967年から、日本のトップである内閣総理大臣が乗る専用車となったのが、トヨタ・センチュリーです。スペックがこちらです。
- ボディサイズ(全長×全幅×全高): 5,335mm×1,930mm×1,505mm
- パワートレイン: 5L・V型8気筒DOHCエンジン
- システム最高出力: 431ps
- 最大トルク: 510N·m (52.0kgf·m)/ 4,000rpm
- 駆動方式: 後輪駆動
- 車両重量: 2,370kg
- 乗車定員: 5名
5Lエンジンで430馬力越えのハイパワーモデルです。長さも5メートルを優に越えており、居住性や迫力などもスゴいですね。
下関市内で見掛けた
センチュリー首相専用車この後、給油の為に
ガソリンスタンドへ。 pic.twitter.com/wi6aGAUIF3— 北九東部方面緊車機動撮影班 (@3u9Qk5CXw1jBaWC) 2019年2月19日
ちなみに、車両重量は約2.3トンですが、内閣総理大臣が乗る専用車は防弾加工が施されているため、さらに重量は相当に重いはずです。
セキュリティ対策
つづいて内閣総理大臣の専用車・センチュリーのセキュリティ対策についてです。
ポイント
- ボディ: 旧・富士製鐵社(現・新日鐵住金社)の防弾用特殊鋼
- 防弾ガラス: 当時の旭硝子社(現・AGC社)が開発したはめ殺し式の防弾ガラスを使用
当然ながら、ボディとガラスは防弾仕様となっており、セキュリティ対策が施されています。
総理大臣専用車のボディ防弾仕様で使われる特殊鋼って?
ボディの防弾用として使われているのが、防弾用特殊鋼です。
特殊鋼とは
特殊鋼: 鉄と炭素に加えて、ニッケルやクロムなどの元素をふくむ合金のこと。一般的に、ボディの防弾用として使われる特殊鋼は、ニッケルクロムモリブデン鋼
一般的に、防弾用特殊鋼がボディに使われる場合、ボディの外板と内板の空洞部分に防弾用特殊鋼を組み込む形で使われます。ですので、VIP専用車のドアの開け閉めの際に撮られた写真や画像で、ドアの厚みなどを見ると、どの程度の防弾性能を持つのかが分かります。
要するに、ドアの厚さ≒防弾性能ということになります。
アメリカ大統領専用車と日本の内閣総理大臣専用車、天皇陛下の御料車のドア比較 pic.twitter.com/ABf8uHdUbc
— 出入自由 (@sine_clavi) May 27, 2016
ちなみに、米国大統領の乗る専用車ビーストのドアの厚みは半端ないです・・・。
個人的にイメージしたのは、銀行の金庫のドアですね。
マシンガンはもちろんのこと、ロケット弾でも耐えられるとのことですので、その防弾性能はもはや自動車を超えて、戦車レベルといえるかもしれません。
総理大臣専用車の防弾ガラス&その性能
防弾ガラスについても説明しますね。
簡単にいうと、板ガラスと、頑丈なビニールであるポリビニールプチラールを何層にもラミネート加工して作るタイプのガラス。
どれだけ威力があるかというと、AK-47というマシンガンを連射しても貫通しないレベルです。
防弾性能を持つガラスの実験といっても、普通ガラスの後ろにいたくないですけどね・・・。怖すぎる・・・
ただし、セキュリティ上の理由で、内閣総理大臣の乗る専用車の防弾性能の詳細は明らかにされていません。このあたりは、米国大統領の乗る専用車の防弾性能の情報開示のスタンスとだいぶ違いますね。
米国大統領は、あえて情報を開示することで”テロ抑止効果”を狙っているのでしょう。
内閣総理大臣(首相)の専用車レクサス・LS600hのスペックと装備とは?
画像出典元:Wikipedia
さて、つづいて内閣総理大臣(首相)の乗るもう一台の専用車である、トヨタレクサス・LS600hについても紹介していきます。
その新車価格は1,510万円です。
- ボディサイズ(全長×全幅×全高): 5,030 × 1,875 × 1,480mm
- パワートレイン: 5L・V8気筒DOHCエンジン
- 最高出力: 394ps
- モーター最高出力:[ kW (PS) ] 165 (224)
- 最大トルク: 4,000(rpm)
- 駆動方式: 全輪駆動
- 車両重量:2,730kg
- 乗車定員: 4名
車両重量が、センチュリーよりも重く、ボディサイズの全長も5メートル超えの大きさです。
レクサス・LS600hの装備面ですが、先代の専用車であるトヨタ・センチュリーの場合と違い、セキュリティ対策として、どのメーカーの防弾用特殊鋼や防弾ガラスを使用されているかは明らかにされていません。
ただ、トヨタ・センチュリーにも使われている新日鐵住金や旭硝子(現・AGC)などは、この分野で世界でも名だたる企業であることは間違いなく、やはりこの2社が開発&製造に関係している可能性もあると思います。
たとえば、旭硝子(現・AGC)などは、かなりの高さから落としても割れないスマホ画面を開発するなど、そのガラス分野での技術力の高さは間違いないです。
トヨタ・センチュリー ⇒ レクサス・LS600hへの転換時はいつ?
レクサス・LS600hが首相の専用車として導入されたのが、2008年でした。
当時、内閣総理大臣を務めていたのは福田康夫氏でした。その福田首相(当時)がトップを務めていた時に開催したのが、北海道洞爺湖サミット。そのサミットの議題の中には、「環境問題」が含まれていました。
日本は、サミット開催国としてアピールをするべく、その一環として、首相の専用車もセンチュリー ⇒ 低燃費かつCO2排出量が少なく環境にやさしいハイブリッド仕様車であるトヨタレクサス・LS600hへと変更となりました。
そして、以後、首相の専用車に、レクサスLS600hが加わりました。
こちらは、安倍総理の夫人のFacebookですが、総理専用車であるレクサスの車内で、電話を操作する安倍総理のお姿が映っています。
出典元:安倍総理の夫人のFacebook
ちなみに、こちらは2014年の写真ですので、安倍総理は、当時はまだガラケーを利用されていたんですね。
内閣総理大臣(首相)は専用車レクサスとセンチュリーをどう使い分けている?
総理専用車が車線合流する際のSPたちの訓練された動き(画像出典元:http://netgeek.biz/archives/89613)
内閣総理大臣(首相)が、併用している専用車がレクサスLS600hとセンチュリー。この2台をどう使い分けているのでしょうか?
個人的には、専用車2台を、天皇家の方々と公式でお会いになる場合とか、たとえば選挙の演説で各地に行く場合などで、つまり・・・その日の予定や目的に合わせて乗り分けているのか?と思っていました。
しかし、安倍総理の場合は、首相が専用車と一緒に写っている過去の写真を見る感じでは、そのような使い分けはしていないようです。
宮中に参内し、天皇陛下が秋の即位の礼と大嘗祭の期日を報告する「賢所に期日奉告の儀」及び「皇霊殿神殿に期日奉告の儀」に参列いたしました。天皇陛下の御即位を改めてお慶び申し上げるとともに、令和の御代の平安と皇室の益々の弥栄をお祈りいたしました。 pic.twitter.com/KyO7nht6wr
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) May 8, 2019
出典元:公式Twitter
たとえば、2017年の千葉県柏市の選挙演説では、センチュリーに乗ってやってこられましたし、ゴルフに行くときには、レクサスLS600hに乗っているお姿がありました。
また、靖国神社に参拝に行った際にも、正装したうえでレクサスLS600hに乗って向かう姿が撮影されていたことも・・・。
これらから分かることとして、とくに目的や用途別に、レクサスLS600hとセンチュリーを乗り分けているようではないようです。実際、前述のように、安倍総理が専用車を護衛するSPの方がセンチュリーに乗っている場合もあります。
ですので、理由や意図は分かりませんが、乗り分けについて明確な線引きはないようです。ただ、個人的には2台の専用車を運用することで安全面では”プラス面”が大きいと思います。
内閣総理大臣(首相)の専用車レクサス&センチュリー ~まとめ
ここでは、内閣総理大臣(首相)の専用車であるレクサスLS600hとセンチュリーのスペックや装備について取り上げてきました。
かつては、トヨタ・センチュリー1台体制だったのが、2008年の洞爺湖サミットをきっかけに環境問題を重視し、レクサス・LS600hとの2台体制での運用になりました。
専用車は、米国大統領のように、いかにも重装備という雰囲気ではないものの、ボディやガラスに至るまで防弾仕様となっており、首相の身の安全を守っています。
今から、ロシア・ウラジオストクへと向かいます。プーチン大統領、習近平主席らと首脳会談を行い、新しい時代の東アジアの平和と繁栄に向けた大きな一歩を進めたいと考えています。 pic.twitter.com/Omz5eR61Vt
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) September 10, 2018
今後、もし日本の治安が悪くなるようなことがあると、総理の身の安全を守る専用車の存在の大きさが増すかもしれません。そのような心配をしなくて済む平和な時代があってほしいものですね。
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