毎年、花粉シーズンになると、気になるのが、愛車に付着した花粉。ここでは、花粉の正しい落とし方、洗車方法と注意点を取り上げます。
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Contents
車の花粉対策!花粉の正しい落とし方とは
まずは、だれにでもできる愛車の花粉対策について。車のボディやボンネットに付着する花粉の正しい落とし方を紹介します。
それはひとこと・・・。
マメに洗車しよう!
とにもかくにも、花粉の季節には、マメに洗車したいもの。こまめな洗車こそが、車の最大の花粉対策になります。
その理由は次の通り。
ボディの腐食を防止するため
愛車に付着した花粉をそのままにしてしまうと、ボディーが腐食してしまいます。
その理由ですが、車のボディに付着した花粉が、雨などで濡れたあと乾燥すると、ペクチンというタンパク質の物質が溶け出すから。
今年のヒノキ花粉が例年よりもやばいとは聞いたけど、まさか洗車数日でこれとは…
花粉は雨でペクチンって成分がボディの塗装ダメにするからガチで萎えるぜ… pic.twitter.com/yNlxr2XdQr— (P°ω°`酢)و ̑̑{ごまだれ!) (@PonZsha) 2018年4月6日
車のボディに付いている花粉を放置すると、このペクチンが原因で、やがて車のボディーを腐食させてしまいます。
花粉とボディ(ボンネット含む)の腐食・・・なんとなく結びつかないイメージですよね?
はてな
★ なんでペクチンが車を腐食させるの?
花粉が車のボディに付着すると、やがて花粉が割れます。その中から出てくる物質が「ペクチン」です。
ペクチンは、塗装の中に入り込み、塗装の内側から塗膜を引っ張るため、塗膜を劣化させ、やがて塗装にシミや腐食を生じさせます。
ちなみに、花粉シーズンに屋外に置かれていた車は新車であろうと、中古車であろうと、花粉シミが付着していることもあります。
ですので、たとえば、新車のレクサスを購入して、「さ~ドライブに行こうと思ったら、ボンネットに花粉シミが!どうなっているの?」ということもけっこうあるんですよ。
いずれにしても、愛車のボディにこびりついた花粉がシミにならないようにするためには、とにかくマメな洗車こそがカギであることがお分かりいただけると思います。
車の花粉対策にオススメの洗車方法と注意点とは?
さて、ここからは、車の花粉対策として、オススメの洗車方法を紹介していきます。
多めの水で優しく洗い流す!
もし、自宅で手洗い洗車するのであれば、いきなり洗車用ブラシでこするようなことはせずに、まずは、たくさんの水で花粉を洗い流すようにしましょう。そのあと、シャンプーをつかって優しく洗い上げていきます。
もちろん、通常の洗車でも同じようにしていると思うのですが、花粉シーズンはとくに意識してたくさんの水でまず洗い流すようにしましょう。
普段から、マメに洗車をしていれば、花粉が付着しても、シミのように残ることは少ないはず。逆にいえば、こまめに洗車をしないと、付着した花粉が原因でボディにシミができてしまいます。
それが”花粉シミ”です。では、花粉シミができてしまった場合には、どうすればよいでしょうか?
それをこれから説明していきます。
花粉シミ状には70℃のお湯をかけて落とす
花粉の付着を放置しておいて、シミ状になってしまった場合には、沸騰して少し冷めた70℃位のお湯をかけることで花粉を落とすことができます。
前述のように、花粉に含まれるのが、ペクチンというタンパク質。タンパク質は熱に弱い性質をもっています。お湯をかける目的は、お湯でシミを溶かすことではなく、塗装を熱くして花粉を除去することです。
分かりやすくいえば、熱を加えて花粉のもとであるペクチンを”焼く”ようなイメージです。
70℃のお湯の作り方とは?
では、70℃のお湯の作り方をふたつ解説します。
方法1 - お湯を沸かしているやかんの中の泡で判断する
お湯を沸かすとき、温度が上昇するにつれて、底から出る泡の様子が少しづつ変わってきます。その見た目で、70度を判断する方法です。
- 70℃ ⇒ 底から立つ小さな泡がだいぶ増えてきた頃
- 80℃ ⇒ 泡が底面全体から出てくるようになって、泡がすぐはじけるようになる頃
- 90℃ ⇒ 80℃のときよりも、大き目の泡になったら90℃
方法2 - 沸騰したお湯に、水を加えて70℃のお湯を作る
沸騰したお湯1,000mlに、20℃の水500mlを加えれば、約73度のお湯になります。
ちなみに、20℃の水とは、蛇口からの水道水の水温は、1年を通しておおよそ20℃くらいといわれています。ただし、一軒家や寒冷地方に住んでいるいる方は、もう少し低いかもしれません。
ですので、単純に水道水の水を加えればよいということになります。
花粉シミは夏になると消えることが多い!
ちなみに、多くの場合、花粉が原因でできる花粉シミは、夏場には消えることが多いです。
その理由は、真夏の太陽の強い直射日光で、塗装表面が70℃前後になることで、ペクチンが分解されることでシミが消えるからです。
一般的に、「花粉由来のシミは、夏まで放っておくと自然に消えます」と言われるのは、そこに理由があります。炎天下では、車のボンネットの表面温度は、普通に70℃を超えるので・・・。
とくに、黒や濃色の色のクルマは、直射日光が当たると、熱を吸収しやすいため、塗装表面の温度も上がりやすいです。
でも、「夏まで待つのは・・・なんか汚らしいし・・・」と思いますよね。実際、洗っても洗っても消えないシミが夏まで残るって・・・あまりイイものじゃないもの。見栄えが良いものじゃないですし。
あと、「夏まで待って落ちなかったらどうしよう・・・」と不安になるかも。
ですので、繰り返しになりますが、花粉がシミ状になるまで放置はせず、まめに洗車することでシミを防止するようにしたいものです。
花粉シミを除去する場合の注意点
では、車のボディに付着した花粉がシミ状になってしまった花粉シミを落とす作業をする場合、何に気を付ければ良いのでしょうか?
いくつかの注意点があります。
花粉のシミ落としにドライヤーの使用はリスキー!
花粉の付着をそのまま放置しておいて、花粉がシミ状にボディに残ってしまった場合、「とりあえずボディに熱を加えればいいんでしょ」と、ドライヤーを使う方法を推奨しているサイトもありますが、止めた方がいいです。
その理由は、”車のボディの表面温度が熱くなりすぎるから”ですね。
ちなみに、市販されているドライヤーの平均温度は、100度~120度になることもあります(出典元:価格コム)。
考えてみれば、人間の髪の毛の主成分は(髪の90%以上)、たんぱく質なわけで、高温になるドライヤーの風を長い時間当てることで、タンパク質が壊れて、髪が傷むのも分かりますね。
たしかに、洗車のプロの作業風景などを見ていると、ヒートガンをシミの部分に当てて、その熱で花粉シミを分解して除去していたりします。
でも、いずれにしても、コツと加減が分かっているプロを除いては、ボディにシミ状に残った花粉を落とすために安易にドライヤーを使うのは避けるようにしましょう。
プロの洗車屋さんの場合でも、個人レベルの車のオーナーーには、ドライヤーではなく、お湯を根気よくかける方法を推奨しているくらいなので・・・。
花粉を落としきらずに行う研磨はNG!
中途半端な温度のお湯をかけても、うっすらとシミが残るもの。その状態で、ポリッシャーとコンパウンドでボディを研磨するのはNGです。
研磨すると、花粉シミが消えて、たしかに一見キレイになったように見えるかもしれません。
でも、塗装内部に花粉のタンパク質成分(ペクチン)が取れきれずに残ってしまい、1週間後またはそれ以上の時間が経ってから、シミが復活することもあります。
適温のお湯を根気よくかけて、花粉を落とし切ってから、研磨をするようにしましょう。
また、プロの方に洗車をお願いするときには、「花粉のシミが残っている」ことを伝えた上で、依頼するようにしましょう。
もちろん、洗車のプロであれば、花粉シミの症状と除去の方法は知っているので、普通は、適切に対応してくれることが多いですが、中にはそこまでの知識のない洗車屋さんもいるので、一応伝えた方が良いでしょう。
どれくらいの頻度で洗車すれば車の花粉対策に有効なの?
花粉シーズンは、とにかく花粉が付着したらすぐに洗い流すような感覚で、マメに洗車することをオススメします。前述のように、花粉は付着して、すぐにシミになるのではなく、雨などで濡れて乾燥すると、シミや腐食の原因になることが・・・。
「ですので、強めの雨が降っているから、ボディに付いた花粉を洗い流してくれるでしょ」なんて考えはNGです。
ちなみに、これ・・・筆者が以前持っていた考えでした(汗)。花粉が付着していることが分かっていても、強めの雨が降ったら、「車がきれいになるしラッキー!」という、今思うと浅はかな考えでしたね。
原因わからないけど、とりあえず花粉はやばい😞
これ、今朝の車のフロントガラスなんですけど…… pic.twitter.com/ub2mgySvig— 里々(りり) (@rr_krm) 2019年2月9日
さて、花粉って、車のボディにどれくらいの量、付着するかという点ですが、参考になるのが、私たちの外出するときの衣服に付着する花粉の量。
花粉というと、つい、よくTVなどで見る、”春先に風が吹いて、真黄色な花粉をまき散らす杉花粉”を思い浮かべるかもしれません。
でも、実は、目に見えない大量の花粉が衣服に付着しているものなんですよね。実際、1時間外を歩いただけで、数万個ともいわれる量の花粉が衣類に付着するといわれています。
もちろん、車と衣服では、素材の違いもありますので、一概に同じ量の花粉がクルマのボディに付着するというわけではないかもしれません。しかし、基本、屋外に駐車しっぱなしになっている、車のボディには、かなりの量の花粉が付着していると考えた方が良いです。
しかも、前述のように、目に見えない大量の花粉が付着していると考えると、いかにマメに洗車する必要があるかお分かりいただけると思います。
車の花粉対策で行う正しい花粉の落とし方と洗車方法 ~まとめ
車の花粉対策で行う正しい花粉の落とし方と洗車方法について解説してきました。
- 車の花粉対策でやるべき花粉の正しい落とし方: とにかくマメに洗車!
ポイント
車の花粉対策にオススメの洗車方法と注意点:
- 多めの水で優しく洗い流す!
- 花粉シミ状には70℃のお湯をかけて落とす
シミ状の花粉を落とす場合の注意点:
- 花粉のシミ落としにドライヤーの使用はリスキー!
- 花粉を落としきらずに行う研磨はNG!
前述のように、付着した花粉を放置して花粉シミになっても、夏になると、太陽の熱で消えることが多いです。でも、ボディカラーによっては、またあまり夏暑くならない地域では、花粉シミが消えないことも。
そんなときには、70℃のお湯をかけて花粉の成分であるタンパク質・ペクチンを分解することで、対処したいもの。
また、不安なら、洗車のプロに任せるようにしましょう。
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