トヨタ自動車が7月24日に明らかにしたのが、プリウスのブレーキについてのリコールです。その対象車と原因について、上級国民・飯島幸三氏の事故を起こしたプリウスと同じなのかについてです。
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プリウスのブレーキ・リコール対象車&原因
まず、プリウスなどの車種の今回のブレーキ・リコールですが、結論から言うと、プリウスのブレーキのトラブルでのリコール対象車は、2019年4~6月製造のモデルになります。
出典元:https://toyota.jp/recall/2019/0724.html
また、プリウス以外にも、C-HR、RAV4、カムリ、カローラスポーツ、クラウンといった車種が含まれています。その総数は、13車種で計2万2431台となります。
以下のサイトでは、対象車種、台数などについて詳細な情報が記載されていますので、参考になさって下さい。
トヨタ公式サイト ⇒ https://toyota.jp/recall/2019/0724.html
プリウスのブレーキ・リコールの原因(理由)
出典元:トヨタ公式サイト
今回のプリウスなどのブレーキのリコールですが、本当の原因(理由)は何でしょうか? トヨタの公式サイトによると、次のような記載がありました。
1.不具合の状況
電子制御式油圧ブレーキのブレーキブースタポンプにおいて、ポンプモータの構成部品である樹脂製ブラシホルダの成形型が不適切なため、ブラシとの隙間が小さく、ポンプ作動時に当該ホルダが熱膨張してブラシが引っ掛かり、ポンプモータが導通不良となるものがあります。そのため、ポンプモータが作動せず警告灯が点灯し、最悪の場合、倍力作用が損なわれて制動停止距離が伸びるおそれがあります。
2.改善の内容
全車両、ブレーキブースタポンプを点検し、該当するものは良品と交換します。
出典元:トヨタ公式サイト
専門用語テンコ盛りの上記の文を読むと、なんとなく分かったような分からないような気分になるかもしれません。
この文の要点ですが、要するに「制動停止距離が伸びるおそれがあります」という部分がポイントになると思います。つまり、”制動停止距離が伸びる = ブレーキを踏んでも止まらない、または加速する”可能性があることを示唆しているともいえます。
実は、今回のトヨタからのリコールに関する公式アナウンスと、2019年6月22日の海外発ニュースで報じられた次の報道が妙にリンクします。
ポイント
- トヨタ・新型「RAV4/カローラ/カムリ/プリウス」とレクサス「ES/UX」の回生ブレーキシステムに異常があるとして販売停止へ。日本市場でも販売停止の恐れも!
詳細: オーストラリア市場並びにニュージーランド市場にて販売しているトヨタ・新型「RAV4/カローラ・スポーツ/カムリ/プリウス」と、
上位ブランドとなるレクサス「ES/UX」のハイブリッドモデルに搭載される回生ブレーキシステムに問題があるとして、これらのモデルを販売停止していることが判明しました。
この豪州でのトラブルと重ね合わせて考えると、今回のリコール騒動では、真の原因として、回生ブレーキの不具合の可能性が考えられます。つまり、”ブレーキペダルを踏んだ時、本来は回生ブレーキが最初に効かないといけないのに、これが効かなかった・・・ないしは逆に加速したのでは?”という可能性です。
ちなみに、プリウスの場合、ブレーキは3つの種類があります。そして、それらが作動する順序が以下の通り。
ポイント
- 回生ブレーキ
- 電子制御油圧ブレーキ(本ブレーキ)
- 直結油圧ブレーキ(エマージェンシーブレーキ:その名の通り普段は作動しない)
最初に作動するはずの回生ブレーキが、何らかの不具合で正しく作動しない可能性が考えられます。
プリウスのブレーキ・リコール(2019)!ネックとなる回生ブレーキとは
今回のプリウスなどの車種を中心としたリコールでネックになりそうなのが、回生ブレーキの何らかのトラブルです。ここでは、回生ブレーキについてもう少し説明します。
今さら聞けない! 回生ブレーキとは?
- 回生ブレーキ: 簡単に言うと、アクセルペダルを離した時やフットブレーキを軽く踏むときに作動するタイプのブレーキのこと。減速時のエネルギーを電力に変え、減速しながら発電する仕組み。
これは、ハイブリッドモデルに乗っている方であれば分かると思いますが、要するにアクセルから足を離したときに、独特のモーター音と一緒にかかるあのブレーキのことです。
コチラの動画では、ハイブリッド車の回生エネルギー作動のメカニズムを分かりやすく解説しています。
電気自動車はもちろん、ハイブリッドカーでも、この回生ブレーキを搭載していることで、ブレーキを踏んだ時に、同時にバッテリーへ充電することができ、燃費向上につながります。
繰り返しになりますが、今回のリコールは、この回生ブレーキが不具合を起こし、”ブレーキペダルを踏んでも、回生ブレーキが効かず、むしろ加速する事象が発生する可能性&リスクがある”と考えられます。
プリウスのブレーキ・リコール対象車は上級国民・飯島幸三のプリウスと同じ?
つい、プリウスと聞くと、すぐに思い出してしまうのが、”上級国民”と揶揄された、飯島幸三氏の運転していたプリウスが東京都豊島区の池袋の路上で、時速100キロを超えるスピードで暴走し、貴重な命を奪ったあの凄惨な事件です。
その飯島幸三氏の運転していたプリウスが、今回のブレーキリコールの対象車になっているのか?という点ですが、結論から言うと、それはないです。
その理由は、飯島幸三氏の暴走プリウスによる事件が起きたのは、2019年4月19日であること。
今回のリコール対象となっているプリウスの製造された期間は2019年4~6月のもの。
ですので、今回のリコール対象となっているプリウスは、飯島幸三氏の暴走プリウスと同一ではありません。
プリウスのブレーキ・リコール対象車&原因&上級国民・飯島幸三のプリウス? ~まとめ
ここでは、2019年7月24日に公表された、プリウスのブレーキ・リコール対象車とリコールの原因、さらに上級国民・飯島幸三の乗っていたプリウスと同じかについて取り上げました。
ポイント
- プリウスのブレーキのトラブルでのリコール対象車: 2019年4~6月製造のモデルで、プリウス以外の車種も含む
- リコールの原因: 回生ブレーキの不具合の可能性。”ブレーキペダルを踏んだ時に本来効かないといけない回生ブレーキが効かなかった・・・ないしは逆に加速する危険性があるという可能性
- リコールのプリウス: 上級国民・飯島幸三氏のプリウスとは違う!
やはり気になるのが、今回のプリウスのブレーキに関するリコールが、前述の豪州での回生ブレーキシステムのトラブルと同じ可能性もある・・・という点。
今後の報道を待つしかないですが、ブレーキ部は、電子制御でコントロールされている箇所だけに、トヨタが公表しているように、ブレーキブースタポンプを点検&該当品の交換で根本的に解決されるかという点に注目したいですね。
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