ここでは、寒い冬場や雪国などの気温が低く、寒さの厳しい寒冷地で、車の燃費を良くする方法を取り上げます。燃費をよくするための一般的な知識が、必ずしも、そのまま当てはまらないのが、雪国(雪道)での燃費向上の方法。
東北以北のエリアで深刻なのが、気温の低い冬場の車の燃費の悪さ。筆者は、ウィンタースポーツが好きで、冬に雪国に行くことが多いですが、体感覚で1割-2割くらい燃費が悪くなる気がします。
実際、冷え込みが厳しい北海道などの寒冷地では、夏と冬の燃費の差は30%にも達するといわれています(財団法人省エネルギーセンターの燃費データの季節変動調査)。では、さっそく、冬場や雪国で車の燃費を良くする方法を取り上げます!
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冬場&雪国で車の燃費を良くする8つの方法とは?
寒さの厳しい冬場や雪国などの気温の低い寒冷地で、車の燃費を良くする8つの方法を説明していきます。
その方法がコチラ。
ポイント
- エアコンは基本オフ&暖房+外気導入にする!
- 暖気運転の時間は最小に!ただし条件付き!
- 車内はできるだけ除湿する!
- 雪国では、満タンじゃないと、燃費が悪くなりトラブルの原因にもなる
- 出発前の雪下ろしは必須です!
- 定期的にタイヤのエアチェック(空気圧点検)を行う!
- スタッドレスタイヤへの入れ替えはベストタイミングで
- 燃費の良いスタッドレスタイヤを履く
ではひとつづつ説明していきますね。
1. エアコンは基本オフ&暖房+外気導入にする!
冬の間は、基本エアコンはオフにして、”暖房+外気導入”にセットする方法です。この方法は、エアコンを使わないため、燃費向上に役立ちます。
筆者も実際に試してみて、効果的だと感じた方法でした。
ちなみに、”外気導入”にセットするのは、外気がきれいな場合のみです。もし、外気が排気ガスや臭いなどで汚れているようなら、”内気循環”にしておきましょう。
”外気導入”にセットしたままだと、臭い空気が車内に入り込んでしまいます。
Me too...
なんか排気ガス臭いなーと思ってエアコンを見ると、勝手に外気導入へ切り替わってる。。。— Hiroshi Sato (@206rc) 2019年1月9日
また、外の気温や、乗車人数が多さなどに応じて、設定温度を上げて、強めの風量にセットしましょう。個人的には、強めの風量にした方が曇りにくいように感じます。
ちなみに、日本は、夏の湿度の高さとは対照的に、冬は全国的に乾燥しやすい気候です。それで、冬場、湿度が低い地域では、エアコンを使わなくても、ある程度ガラスが曇りにくいので、この方法が有効です。
また、エアコンはオフにして走行する場合、湿度の高さや乗車人数の多さなどが原因で、やはり窓ガラスが曇るときには、あきらめてエアコンを付けましょう。このような場合、視界をきちんと確保して安全走行することを優先した方が良いです。
いずれにしても、エアコンを使うかどうかが燃費の良し悪しを左右することは間違いないですね。
2. 暖気運転の時間は最小に!ただし条件付き!
暖気運転の所用時間ができるだけ短くなるよう工夫しましょう。
東北や北海道などの積雪地帯では、冬場に愛車を戸外に駐車しておくような場合、フロントガラスに付着した霜を除去するためにも、暖気運転は欠かせないもの。
しかし、前日のうちに、凍結防止シートなどであらかじめフロントガラスを覆っておくことで、ガラス面に霜が付きにくくなり、結果として暖気運転の所用時間を短くすることができます。
このわずかな工夫で、車のガラス面に霜が付きにくくなり、暖気運転の所用時間の短縮につながります。
寒冷地では最低限の暖気運転も必要!
最近のクルマは、”暖気運転が不要なものがほとんど”といわれています。しかし、それも都心部など冷え込みがきつくない地域の話・・・。
寒冷地では、不用意に暖機運転を不要に怠ると、車に負担がかかり、車の寿命が短くなることも・・・。このあたり、実際に豪雪地帯や寒冷地で運転されている方はご存知の点だと思います。
ですので、厳しい寒さの寒冷地では、”最低限の暖気運転は必要”です。
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ただし、繰り返しになりますが、極力、霜が付着しないよう、前日のうちに、凍結防止シートなどでフロントガラスを覆っておくことで、暖気運転の所用時間を短縮できるはずです。
また、屋根付き車庫や雪が吹き込みにくい場所に車を駐車しておくのも、霜や雪がガラスに付着しにくくするために有効です。
ちなみに、暖気運転なしにすぐに走り出した場合、車は、水温計が上がるまで⇒ミッションオイルの温度が上がるまでは、”エンジン回転数は高いまま”を維持するように設計されています。
そのため、この走行でガソリンを消費し、燃費が悪くなります。
ですので、暖気運転をせずにすぐに走り出したからといって、著しく燃費が改善されるわけではないことも覚えておきたいものです。
また、暖気運転なしで走り出した場合には、暖気運転のサインが消えるまで、車に負担をかけないように、優しく車を走らせるようにしたいもの。
そのときの気温などによって、「暖気運転のサインが消える時間がどれくらい」とは、一概には言えませんが、寒冷地では、10分~15分くらいは、アクセルを踏み込むような運転は避ける必要があるでしょう。
3. 車内はできるだけ除湿する!
車内はできるだけ除湿して、湿気がこもらないようにしましょう。
「ガラス面に結露ができてすぐに曇るから、エアコンを多用しちゃうんだよね」という方が、意外と見落としがちなのが、車内を除湿する工夫。車内の湿気が、結露を発生させて、ガラス面が曇り、結果エアコンを多用して、燃費が悪くなります。
次のような除湿の工夫は、意外と効果があります。
ポイント
- 車内に市販のBOXタイプ除湿剤を置く
- 車に乗り込む前に、衣服や靴に付いた雪をできるだけ払ってから乗る
これらの目的は、車内の湿気を取り除くことと、車内に湿気を持ち込まないことです。細かいようですが、案外効果があります。
4. 雪国では、満タンじゃないと、燃費が悪くなりトラブルの原因にもなる
寒さの厳しい寒冷地や豪雪地帯では、給油時には、できるだけ満タンにしましょう。そうした方が良い理由がコチラ。
- 数回分けて給油することで燃費が悪くなる
- ガソリンタンク内の空間がもとで、車がトラブルを抱えることがある
- ついでに・・・
ひとつづつ説明しますね。
1. 数回分けて給油することで燃費が悪くなる
これは、どういうことかというと、一度の満タン給油の場合、エンジン始動と発進も一度で済むので、小分けにして給油するよりも”ガソリンの消費を抑えることができる≒燃費が良くなる”ということです。
たとえば、一回の満タン給油で6000円分給油するのと、6回に分けて1000円づつ給油した場合で比べてみましょう。後者の場合、最低6回はガソリンスタンドで給油することを意味します。
すると、最低6回は、給油ごとにエンジン始動と発進を行う必要があります。この動作こそが、ガソリンを一番消費する部分なので、結果として、ガソリンの消費量が増え、燃費が悪くなるわけです。
ちなみに、ハイブリッド車にも、このことは当てはまります。
雪国や厳しい寒冷地では、あえてガソリンタンクを満タン給油で運用した方が、長い目で見れば燃費の改善につながりますし、車のトラブルを避けることにもつながります。
2. ガソリンタンク内の空間がもとで、車がトラブルを抱えることがある
給油時に満タンにしないと、ガソリンタンク内に多くの空間ができることは、お分かり頂けると思います。
ガソリンタンク内の空間が大きいと、特に、寒さが厳しい寒冷地では、冷え込みが原因で、ガソリンタンク内に結露が発生することで水が溜まり、結果として、配管が凍って詰まってしまうリスクがあります。。
いざ、走ろうと思っても、エンジンがかからなかったり、立ち往生したりというのは、寒冷地ではキツすぎます。そんな状況を避ける意味でも、寒冷地では、満タン給油がオススメです。
3. ついでに・・・
あと、もうひとついえば、地震国の日本では、ガソリンタンクは基本満タンにしておいた方がリスク管理につながります。
いざ地震が発生したような場合、逃げようと思っても、ガソリンタンクに少量のガソリンしかなければ、そのガソリンが持つ範囲にしか逃げることができないことになるわけですよね。
また、とりあえず、エンジンをかけて暖を取ることもできません。
燃費が気になるからガソリン満タンにはしないって勇気あるなー。
冬は何があるか分からないからおいら、常に満タンにしておきたい。— ぶろんキャンパー@実は肥後もっこす (@buroncamper) 2019年2月2日
実際、東北大震災が発生したときには、愛車にガソリンが満タンで入っていたかどうかが、被災者の方々の当面の生活に大きく影響したことが知られています。
ですので、とりわけ寒冷地での冬場は、満タン給油の方が省エネですし、安心&安全ですね。
5. 出発前の雪下ろしは必須です!
ときおり、見かけるのが、雪国で、車の屋根に雪を積んだまま走行してる画像や動画・・・屋根やボンネットに積もった雪の重量は、あなどれませんし、結果として、燃費の悪化につながります。
たとえば、単純計算になりますが、積雪1㎝の場合、1㎡につき3㎏の重さになります。実際には、数センチ単位で車の屋根やボンネットに積もっていることも多いはずで、その場合、かなりの重量となります。
出発前には、できるだけ、車の屋根やボンネットの雪を下ろすようにしましょう。
6. 定期的にタイヤのエアチェック(空気圧点検)を行う!
ベタではありますが、意外と定期的にやっていない人も多いのが、車のタイヤのエアチェック(空気圧点検)。理想を言えば、できれば2週間に1度くらいの頻度で行いたいところ。
また、雪国では、タイヤの空気圧の量は適正値に合わせましょう。
定期的にタイヤの空気圧点検を行うメリットは、タイヤの減り具合やひび割れの有無、劣化具合などもチェックできることです。雪道でいきなりパンクして立ち往生なんてことにならないためにも、定期的にタイヤの空気圧点検は必ず行いましょう。
7 スタッドレスタイヤへの入れ替えはベストタイミングで
スタッドレスタイヤは、早すぎず、遅すぎずのベストタイミングで行うようにしたいもの。
スタッドレスタイヤに履き替えると燃費の悪さを実感するはずです。個人的に経験があるのですが、タイヤ屋さんは、冬が来る前の、暇なうちにスタッドレスタイヤへ交換をしたがるもの(笑)。
でも、雪もほとんど降らない時期から、スタッドレスタイヤに交換すると、燃費は悪くなります。スタッドレスタイヤだと燃費の悪くなる原因は主にコチラ。
注意ポイント
- スタッドレスタイヤは、通常のタイヤに比べて柔らかいため、転がる力に対する抵抗が大きくなるため燃費が悪化
- スタッドレスタイヤは、通常のタイヤに比べて重いことが多いため燃費が悪くなる
ですので、できるだけタイミングを見計らって、ベストなタイミングで、スタッドレスタイヤへ履き替えるようにしましょう。また、逆に、スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換も、積雪シーズンが終わったら、早めに行いたいものです。
8. 燃費の良いスタッドレスタイヤを履く
雪国や寒冷地では、冬場にスタッドレスタイヤを履くのは常識ですよね。最近は、燃費向上に効き目のあるスタッドレスタイヤも販売されています。
こういった燃費改善を期待できる、スタッドレスタイヤを履いてみるのも、長い目で見るとお得です。
たとえば、こちらのスタッドレスタイヤは、転がり抵抗が7%改善していることから、燃費向上を期待できます。
▼ヨコハマ(YOKOHAMA) ICE GUARD 5 PLUS ▼
スタッドレスタイヤとしての性能も高い上に、燃費が良いので、お得ですね。
まとめ
寒さの厳しい冬場や雪国などの気温の低い寒冷地で、車の燃費を良くする8つの方法はコチラです。
ポイント
- エアコンは基本オフ&暖房+外気導入にする!
- 暖気運転の時間は最小に!ただし条件付き!
- 車内はできるだけ除湿する!
- 雪国では、満タンじゃないと、燃費が悪くなりトラブルの原因にもなる
- 出発前の雪下ろしは必須です!
- 定期的にタイヤのエアチェック(空気圧点検)を行う!
- スタッドレスタイヤへの入れ替えはベストタイミングで
- 燃費の良いスタッドレスタイヤを履く
ここでは、冬場や雪国などの気温の低い寒冷地で、車の燃費を向上させるための方法を紹介してきました。
しかし、積雪や降雪で視界が悪くなるような悪条件下では、安全に車を運転することが最優先とされるべきで、燃費向上は二の次と覚えておきたいもの。
ガソリン代をケチったばかりに、車がトラブルを抱えたり、立ち往生してガス欠になったりして、低温にさらされて命の危険に直面しては、元も子もありません。ですので、”寒い冬場や雪国ではほどほどに”、できる範囲の工夫をしてみましょう。
そのうえで、寒さの厳しい冬場や雪国などの気温の低い寒冷地でも、車の燃費が向上できれば良いですね!
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