自動車関連の知識

自動車税の走行距離別課税はいくら(何%)&測定方法は?節税対策は?

自動車税の走行距離別課税

この記事では、自動車税の走行距離別課税はいくら(何%)と測定方法について、節税対策についても取り上げます。

では、さっそく本題に入ります。

>> 車の税金(自動車税)が走行距離別で決まる理由は…なぜ?いつから?

 

自動車税の走行距離別課税予想!税率はいくら(何%)?

まず、自動車税の走行距離別での課税予想について取り上げます。結論から言うと、走行距離・1kmにつき1円程度(あるいはそれ以上)の走行距離別の課税があってもおかしくないと思います。

つまり、年間1万キロ走行する人であれば、走行距離別税として1万円をお国に上納するということです。

その理由・根拠としては、次の通りです。

ポイント

  1. 自動車税関連の税収が単純に右肩下がり
  2. 走行キロと燃料消費量が年を追うごとに減っている

ひとつづつ、ご説明しますね。

 

1. 自動車税関連の税収が右肩下がり

ガソリンスタンド

画像出典:pixabay

自動車税関連の税収が単純に、”年を追うごとに右肩下がり”というのが、この議論の出るひとつの理由だと思いますね。

具体的には、自動車関連の税金は、主に平成21年度以降、目に見えて税収が減っています。その主な理由は次の通りです。

 

エコカー減税の導入と税率の引下げ等

 

エコカー減税とそれにともなう税率の引き下げについては、改めて説明は必要はないかもしれませんが、一応念のため・・・

 

ポイント

電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、クリーンディーゼル車などの環境性能に優れたクルマ(2020年度燃費基準+90%達成車)については、税制を優遇しますよ!というシステム。

とくに自動車重量税については、マックスで全額免除となるなど、かなり大きなメリットがあります!

エコカー減税と税率の引き下げで、確かにユーザー負担は軽くなりましたよね。

実際、この辺りを計算して、ガソリン車からハイブリッドカーや電気自動車など環境性能の高い車へと乗り換えた方も多いはず。また、自動車メーカーも、この切り口での営業訴求により、エコカーというセグメントの車で高い売り上げをあげてきました。

ですので、自動車メーカーは、売り上げと株価は上がり・・・と、とくにおいしい思いをしてきたはず

しかし、その結果として・・・。

 

税収は右肩下がり

その結果、例えば、エコカー減税導入直前の、平成20年度は自動車重量税の税収は、1兆円を超えていたのに対し、その後4,000億円以上減少し、平成30年度の自動車重量税の税収は、約6,600億円となっています(出典元:財務省の公式サイト)。

さらに、自動車税は、平成20年度は約1兆6800億円(総務省発表)だったのに対して、平成30年には約1兆5200億円(下図)へと目減りしています。

自動車税の走行距離別課税データ

(出典元:日本自動車工業会)

自動車税についても、自動車重量税ほどの減収ではないものの、単純にここ10年で約1500億円の減収になっていることが分かります。

ですので、この10年を経て、自動車重量税と自動車税を合わせて、一年につき約5500億円の減収となっていることになります。

いいかえれば、政府としては、最低でも、毎年約5500億円分の財源をクルマ関連から確保したいのでしょう。もっといえば、車を保有している国民から徴収したいはず。

 

2. 走行キロと燃料消費量が年を追うごとに減っている

そして、2つ目の理由が、走行キロと燃料消費量が年を追うごとに減っているという点。この主な理由ですが、普通に考えれば・・・。

ポイント

  • 走行キロの減少 → 若者の車離れと高齢化による車人口の減少
  • 燃料消費量の減少 → 環境性能の高い車が増えたことで、ガソリンの使用量が減っている

ということでしょう。

では、走行キロと燃料消費量は、具体的にどれくらい減っているのでしょうか?

 

走行キロと燃料消費量の推移

走行キロと燃料消費量については、「政府統計総合窓口」という政府機関が公表している公式データから、簡単に確認することができます。

平成31年2月分(最新版)と、現状、データとして一番古い平成25年4月分とで比較してみます(出典元:「政府統計総合窓口」の自動車燃料消費量調査)。

 

平成31年2月分(最新版)での走行キロと燃料消費量データ

走行キロは以下の通り

  • 営業用自動車→ 647百万㎞
  • 自家用自動車→ 45,738百万㎞

ガソリンの消費量は以下の通り

  • 営業用自動車→ 61千kℓ
  • 自家用自動車→ 3,728千kℓ

さて、遡ること、6年ほど前のデータを見てみましょう。

 

平成25年4月分での走行キロと燃料消費量データ

走行キロは以下の通り

  • 営業用自動車→ 603百万㎞
  • 自家用自動車→ 48,599百万㎞

ガソリンの消費量は以下の通り

  • 営業用自動車→ 61千kℓ
  • 自家用自動車→ 4,398千kℓ

ここから分かることとして、営業車のガソリン消費量が、まるで測ったかのように、同じというのが不気味です(笑)。

それは、さておいて、自家用車のガソリン消費量が目に見えて減っています。消費者の(燃費の良い)環境性能の高い車へのシフトが効いていて、ガソリン消費量が落ちていることが分かります。

さらに、走行キロ数が減っていますね。

このあたりに、若者の車離れや高齢化での車人口の減少が影響しているのでは?と考えます。

この数字を見て、”6年間というスパン”にしてはわずかな減少ととらえるか、大きな変化ととらえるかは、また議論がありそうですが、一つ言えるのは、税収の右肩下がりは、今後ますます進むはずということでしょう。

いずれにしても、この数字の推移を分かっているからこそ、税収確保のため、今、自動車税の走行距離別での課税が検討されていることは間違いないですね。

 

自動車税の走行距離別で課税はいくら(何円)になるか~ ここまでのまとめ

さて、前述のように、エコカー減税導入直前の平成20年度から直近の平成30年の車関連の税収は、自動車税と自動車重量税に限っても、合計・約5500億円の減収になっています。

一方、平成30年1月時点での、全国の自動車保有台数は、約8200万台です(出典元:自動車検査登録情報協会)。

それで、5500億円 ÷ 8200万(台)で計算すると・・・

単純に、車1台あたり、1年で約6700円の税負担となります。

しかし、「じゃ~、自動車税の走行距離別の課税分として、1台につき、毎年6700円を負担するの?」と言うことではないと思うんですよね。

自動車関連税収は、自動車税と自動車重量税だけではありません。また、車人口の減少とエコカー普及で、燃料使用量が減っているため、そのガソリン関連税で減収した部分も、国は補填したいのでしょう。

ですので、冒頭で書いたように、あくまでも予想ですが、走行距離・1kmにつき1円程度(あるいはそれ以上)の走行距離別の課税があってもおかしくないと思います。

ただ、この数字にしても、不透明で考慮しないといけない要素は山ほどあります。

ポイント

  • 車に乗る頻度と距離の多い地方部とほとんど乗らない都心部の人の違いから生まれる不公平感
  • 燃費&税制での優遇を目的に、少し高めのエコカーを買ってきた人からうまれる不満

これ以外にも、議論の余地がたくさんあると思います。

いずれにしても、自動車税の走行距離別での課税は、車を保有するほとんどの人から不満の出る、税システムになりそうです。

 

自動車税の走行距離別課税で距離の測定(計算)方法は?

さて、自動車税の走行距離別課税をされた場合、いったいどうやって距離を測定(計算)するかです・・・。

結論から言うと、不正を防ぎ、かつ公平さという観点から一番異論がない測定方法は、GPSを使った測定方法でしょう。

あるいは、車検毎にオドメーターで走行距離をチェックして、その走行距離に応じて課税するという方法が手っ取り早く考えられます。

 

GPSを使った走行距離の測定方法

まず、GPSを使った走行距離の測定方法ですが・・・。メリットとデメリットが共存している方法ですね。

実際、この方法を採用している国は、ドイツをはじめとしたヨーロッパに見られます。最近では、ノルウェーでも、この方法が検討されていることが報じられました。

ノルウェーのデータ保護当局は、自動車の走行距離に対するGPSベースの課税は5〜6年以内にできると主張している。

出典元:https://www.armstrongeconomics.com

ただ、ノルウェーでもGPSを使った走行距離の管理については、賛否両論があり、テクニカル的には、容易な方法であることは認めつつも、国民の不信感も高いようです。

個人的には、日本ではこの方法はかなり難しいと思いますね。日本人特有のアレルギー反応を生むと思います。

そもそも海外の多くの国々では、国民総背番号制(アメリカの社会保障番号が代表例)を昔から採用しており、ほぼほぼ国民の生活(収入を含め)が把握&管理されています。

そうした背景があることから、それらの国では、GPSでの走行距離での管理は、まだ受け入れられやすいと思います。

しかし、日本では、国民感情的に非常に難しいでしょうね。マイナンバー制度の成立にしても、相当の時間がかかってきたのが、すべてじゃないでしょうか。

 

車検時にオドメーターで走行距離を確認

あるいは、車検毎にオドメーターで走行距離をチェックして、その走行距離に応じて課税するという方法が手っ取り早く考えられます。車検制度が日本特有の制度であることから、2年に一度車の走行距離を確認できるため、ある意味、確実な方法といえます。

ただ、この方法も、メリットだけでなく、デメリットがあります。それが、オドメーター偽装(ナンバー巻き戻し)などの不正行為の可能性です。実際に、その懸念の声が上がっています。

平成30年の国会の議事録によると、次のような意見が出たことが記録されています。

「走行距離に応じた自動車課税は徴税の仕組みが難しい上に様々な不正を誘発しかねない」

出典元:平成30年 衆議院の動き 第26号

ネットユーザの声を見ても、「中国などでメーター巻き戻しの機器を作られるんじゃないか」的な意見も上がっていました。実際、有り得そうな気もします。

 

自動車税の走行距離別での課税!可能性は何%?

自動車税の走行距離別での課税の可能性は70%と推測します。その根拠と理由は以下の通り。

ポイント

  • 自民党の一強体制が当分続く可能性が高い!

この点に尽きると思います。

今世紀に入って、一時期、民主党政権にその政権を明け渡していた時期があったものの、民主党→自民党へと政権が戻って以降は、自民党一強体制となっています。

そして、自動車税の走行距離別での課税についての議論を行っているのが、与党税制調査会です。与党税制調査会という名称にもあるように、自民党の主宰で定期的に執り行われている調査会のことです。

つまり、税制についての議論は、自民党主導で行われ、その意見がそのまま税制に強く反映されることになると思います。

なお、個人的には、国民目線に立った議論がされるという意味で、目の付け所が悪くなかったと思うのが、2009年に誕生した鳩山由紀夫内閣でなされたひとつの提言。

つまり、鳩山由紀夫内閣以前の自民党体制下では、与党税制調査会がほぼ実質的な税制改正の意思決定を行っていましたが、鳩山内閣は専門家からなる専門家委員会を設置して、第三者の意見を取り入れる形へと是正しようとしていた点です。

話を戻して、自民党が強い与党の現状では、自動車税の走行距離別での課税の可能性は70%程度はあると思います。もっと言えば、ほぼ決まりだと思います。

現在、観測気球を上げて、国民の反応を見ている段階なのでしょう。

 

まとめ

  • 自動車税の走行距離別での課税予想: 走行距離・1kmにつき1円程度(あるいはそれ以上)の可能性あり
  • その理由:次の通り

ポイント

  1. 自動車税関連の税収が単純に右肩下がり
  2. 走行キロと燃料消費量が年を追うごとに減っている
  • 考えられる走行距離の測定方法: ① GPSを使った走行距離の測定方法 ② 車検時にオドメーターで走行距離を確認

自動車税の走行距離別での課税については、国会での討論の議事録を見ても、「まだまだ議論の余地あり」という部分が強いです。しかし、いったん議論の遡上に上がったということは、かなりの可能性で、実現してしまうと思います。

この走行距離別で課税は、メリットはほとんどない上、デメリットを感じる人の方が多く、とくに不公平感が生まれやすい税制になると思われます。

今後を注視する必要がありますね。

 

>> 車の税金(自動車税)が走行距離別で決まる理由は…なぜ?いつから?

 

自動車税の走行距離別での課税の節税対策とは?

車を保有して運転する以上は、発生してしまう”自動車税の走行距離別税”。やれる対策は限られています。

ですが、誰もができる、有効な節税対策があります。

それは、自動車の乗り換え時に、愛車を”安易にディーラーの下取りに出さない”ということ。あるワンステップを挟むだけで、お金を得られてその分を税金の支払いに充てることができ、結果として節税になります

筆者も分かるのですが、ディーラーの営業さん任せで、新車購入時に、愛車をディーラーの下取ってもらうと”ラク”なんですよね。営業さんも、こういってはなんですが、「悪いようにしません」的な営業トークをしてきますよね。

でも、ある時に、何も考えずに、ディーラー下取りをしてもらっているだけで、ものすごい損をしていることに気づいてしまいました

コチラの記事では、愛車を高く買い取ってもらう方法を解説しています。

ご興味があればご覧ください♪

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