ここでは雪道運転でのギアのつかい方を取り上げます。今や、乗用車の新車販売のうち9割がオートマ車という時代です。いざ雪道運転で運転するクルマといえば、オートマ車という方が圧倒的多数だと思います。
ですので、オートマ車のギアの正しいつかい方をマスターしておくことは大切なんですよね。
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Contents
雪道運転でのギアの正しい使い方とは【オートマ車】
普段、雪に覆われた地域で生活されている方や冬雪深くなる地域で生活されている方にとっては、ここで紹介する内容は当たり前の知識かもしれません。
おそらく、雪道で運転する場合でも、ちょうど慣れた種類のスポーツ競技で身体を動かすように、何も考えなくても身体がスッ!と自然に反応すると思います。
しかし、雪がほとんど降らない都市部で生活していて、いざ大雪が降った場合や、スキーをするために、雪に覆われた山間部に運転していく方も多いはず。そんな場合に、雪道運転でギアを正しくつかってオートマ車を安全に運転したいものですよね。
では、さっそくご説明していきます。オートマ車で雪道運転するときのギアの使い方はこちらです。
路面コンディション別・ギアの選択方法
- 積雪が少なく平坦な道での発進・走行・停止 ⇒ オートマ車のDレンジで運転
- 積雪多め&凍結している平坦な道の発信・走行・停止 ⇒ 以下の方法で対処
- スノーモードが付いている車: Dレンジ+スノーモードを使用
- スノーモードが付いていない車: 2速で発進
- CVT車の場合: ウィンターモードがあれば、使う
- 積雪した路面の上り坂 ⇒ Dレンジ+スノーモード
- 積雪した路面の下り坂 ⇒ 基本的にDレンジ。勾配のきつい下り坂や、積雪が多かったり凍結などでは2速
では、詳しく説明していきますね。
雪道運転のケース別・オートマ車のギアのつかい方
積雪が少なく平坦な道での発進・走行・停止
積雪がそれほどなく、路面が滑りにくく、かつ平坦な道で発進・走行・停止するときには、オートマ車のDレンジを選択して運転しましょう。
最近のオートマ車の中には、トラクションコントロールシステムが装備されているものが増えてきています。
それで、シフトをDレンジに入れておけば、トラクションコントロールシステムが作動することで、積雪や凍結などの路面のコンディションを察知して、安定走行をサポートしてくれます。
つまりは、トラクションコントロールシステムが、「あっ、この路面・・・濡れていてコンディションが悪い。この走り方ではきっと滑るな。では、シフトのスケジュールを変えて安定させよう・・・」と判断して調整を図り、安定した走行ができるようサポートしてくれるワケですね。
ちなみに、あなたの愛車にトラクションコントロールが組み込まれているかどうかは、説明書などを見ると分かります。
トラクションコントロールの名称の表記の仕方はメーカーによって表記方法が異なります。
★ トラクションコントロールのメーカー別表記方法の例 ★
- トヨタ: TRC
- 日産は: VDC
- マツダ: TCS
- ホンダ: TCS
悪路での安全走行をサポートしてくれる、こうした愛車の機能を理解しておくことは大切ですので、搭載されているかが不明な場合には、事前にチェックされることを、是非、オススメします。
また、最近の多くの車では、トラクションコントロール+横滑り防止装置(ESC)+ABSのセットで搭載されています。
それで、自動車は高い性能を持ち、仮に積雪などがあって路面コンディションが悪くても、オートマ車のDレンジで走破できる力があります。
しかし、雪道運転で最適なギアを選択してくれるこれらの機能はたしかに便利なんですが、愛車がオートマ車だからといって、これらの機能に頼り切ることは危険です。あくまでも、走行を補助するものにすぎませんので、雪道での急発進や急停止は禁物です。
雪道では、降雪量にかかわりなく、「じんわり発進、ゆっくり停車」を意識的に心がけたいものです。
積雪&凍結している平坦な道の発信・走行・停止
積雪があり、路面も凍結しているようなスリップしやすい道でオートマ車を発進させる場合、次のように対処しましょう。
● スノーモードが付いている車: Dレンジ+スノーモードをつかいます。多くの場合、シフトレバーの近くにスノーモードのスイッチがあるので、それを押せば(オンにすれば)、スノーモードがつかえるようになります。
スノーモードに切り替えることにより、2速に固定されるので、より車が安定して発進しやすくなります。
(出典元:日産の公式HP:http://www.nissan.co.jp/)
なお、国産車の場合、どの自動車メーカーでも「スノーモード」という名称で統一されています。しかし、外車などは、名称が異なる場合もあるため、ディーラーや取扱説明書で事前に確認をしておくようにして下さい。
● スノーモードが付いていない車: 2速で発進させます。つまり、Dレンジから一つギアをシフトダウンした状態で車を発進させます。
● CVT車の場合: ウィンターモードなど滑りやすい路面に適したモードにして発進します。
雪の日は雪国の車でウィンターモードをつけてスタッドレスを履いて走りましょうねみなさん。 pic.twitter.com/1lBEJLQZqo
— 大川 義暉 (@44ki_Z4_2500) 2016年11月23日
スノーモードの付いていないクルマの場合
車種によっては、スノーモードが付いていないクルマもあります。しかし、最近の車種の中には、エコモード(燃費向上のために搭載)を、雪道走行の発進時のモードとして推奨しているものもあります。
その理由は、エコモードを選択するとゆるやかに発進できる点にあります。この特性によって、通常のモードでありがちな、アクセルを踏んだときの”ガツンという発進”を避けることができます。結果として、雪道での発進時に、スリップしづらくなります。
帰り道は酷い雪…というか珍しくマイナス4℃まで下がって氷の世界でした
e-pedalないけどエコモードで安定した走りw#日産リーフ pic.twitter.com/wVw5BBTrts— ゼロ (@leaf_zero0) 2018年1月24日
それで、スノーモードがない場合には、メーカーが推奨するエコモードなどの機能がないかを、雪道走行をする前に確認しておくようにしましょう。あれば、是非つかいたいものです。
そもそもスノーモードって何?
スノーモードとは、簡単に言うと、”自動車のギアチェンジの制御を変える仕組み”を指しています。そして、スノーモードをオンにすることで、その間は、常に2速固定で発進させることができます。
なぜ、2速固定での発進が理想的かというと、車にしっかりと”トラクション”がかかるため、滑りにくくなり、安定して前に進むことができるからなんですね。
まさか南房総に住んでてリアルにスノーモードを使う事になるとは思わなかった…… #ランエボ #雪 #エボ10 pic.twitter.com/ens4kAbyXj
— m-neko (@miyuuhaneko) 2018年1月22日
ちなみに、トラクションとは、「引っぱること、牽引力」という意味があります。もっと、分かりやすくいうと、「自動車の駆動力」と言いかえることができます。つまり、エンジンのパワーをきちんと地面に伝えることができる状態が、「トラクションがかかる」状態のことです。
教習所でマニュアル免許を取った方であれば思い出すことができると思いますが、普通、自動車は1速からスタートして、加速に伴って、ギアを上げていきます。オートマ車の場合でも、ドライバーが意識していないだけで、車が自動制御でこの操作を行っています。
しかし、路面が凍結していたり積雪が多いと、普通のDレンジで発進するとスリップしてしまうこともあります。
そこで、スノーモードをつかうことで、しっかりとエンジンパワーを路面に伝えるため、スリップしづらくなり、安全に発進がしやすくなります。
スノーモードをつかうことで、加速性は悪くなったり、燃費が少し落ちるというデメリットはあるのですが、凍結した路面や積雪した場所では、安全に愛車を発進させるために、つかいましょう。
積雪した路面の上り坂と下り坂
オートマ車を運転する際、積雪した路面の上り坂では、Dレンジ+スノーモードで進みましょう。前述のように、スノーモードにセットしておけば、発進時は2速固定で進み、あとは自動車側が自動で適切なギア制御をしてくれます。
また下り坂での走り方ですが、最近のオートマ車の場合、基本的にDレンジに入れておけば、基本、下り坂でも自動車側で制御してくれます。
しかし、勾配のきつい下り坂やカーブのある道や、積雪が多かったり凍結が見られる場合など路面の状態に応じて、レンジを2速に切り替えて下るようにしましょう。
また、下り坂で2速に落とす場合、加速してからではなく、加速する前にレンジを2速に切り替えるようにしたいものです。
注意点
最近のオートマ車は、電子制御されているため、下手に人間が操作するよりも確実性や安全性も高いです。
しかし、雪道での運転では、路面の状況もその時々の気温や天候などの条件によって、常に変化しています。
そのような雪道運転でも、オートマ車のレンジ(ギア)を、状況に応じて正しくつかい分けることで、安全走行することができます。
一点留意しておきたい点として、この記事では、オートマ車でスノーモードやウィンターモードを積極的につかう方法を紹介してきましたが、あくまでも補助的なものであることを覚えておきましょう。
雪道走行をするときには、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの装着は必須です。それで、雪道の走行をするにあたって、まずクルマの足元周りをきちんと固めてから、走行するようにしたいものですね。
雪道運転でのオートマ車のギアの使い方 ~まとめ
ここまでで、オートマ車で雪道運転するときのギアの使い方を取り上げてきました。
● 積雪が少なく平坦な道での発進・走行・停止 ⇒ オートマ車のDレンジで運転
● 積雪多め&凍結している平坦な道の発信・走行・停止 ⇒ 以下の方法で対処
- スノーモードが付いている車: Dレンジ+スノーモードを使用
- スノーモードが付いていない車: 2速で発進
- CVT車の場合: ウィンターモードがあれば、使う
● 積雪した路面の上り坂 ⇒ Dレンジ+スノーモード
● 積雪した路面の下り坂 ⇒ 基本的にDレンジ。勾配のきつい下り坂や、積雪が多かったり凍結などでは2速
今のクルマは、トラクションコントロール+横滑り防止装置(ESC)+ABSのセットが搭載されているクルマも増えてきているなど、正しく使えば安全に雪道を運転できるようになってきました。
これらの機能のおかげでオートマ車でも、路面のコンディションに合わせて、自動でギアを変えてくれるなど安定走行ができます。逆に、それだけに、雪道運転のときには、過信しないようにしましょう。
雪国でときおりスタックして動けなくなっているクルマを見ると、案外、雪道を安全に走行できる機能を搭載しているクルマだったりします。クルマの性能に頼り切らず、路面の状況に応じて注意深く判断していきたいものですね。
あくまでも、雪道運転時の急発進や急停止は禁物という点を覚えておきましょう。そしてオートマ車のギアを正しく使っていきましょう。
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